キセキの緑
2階のカフェで、桜の花を 一足早く堪能する。
なんとなく、その枝を 捨てきれずにいて水に 挿していた。
枝からは 予想を裏切らず 緑の芽。
やがて、一枚目の葉。
二枚目の葉。
また、芽をだし、枝を伸ばし 三枚目の葉、四枚目の葉 と生い茂る。
新緑の季節ともなれば、緑のグラデーションの世界は当たり前になる。
でも、まだ 本当の春を待つものとしては、このグレーの枝から、
キセキの緑 を だす事は、手品のように 気持ちよく、
つい 生命力の素晴らしさに 見とれる。
時に 人は、手品のようなキセキを、自分自身に思い描いたりする。
でも、冬の準備が きっと 慌てず 春を 教えてくれるような 気がしてならない。