すくすくと
「2年が経ちましたね」 と
レジをしていたら、男性のお客様に そう 言われたのだった。
「はい」
そう 答えた。
まるで よくがんばって来ましたね いつも見ていましたよ と
褒められた様で 小さく 「はい」 と、頷いたのだった。
2年という 月日を、すんなりと おっしゃるのには、ご自身の何かと
同じ 時のものさしで測ることが 出来たのかもしれない。
いつも、パンオレ生地の好きな奥様に 3種類を選んでいかれる。
塩胡桃あんぱん は、この方のご希望から生まれたものだ。
私たちのようなものの、がんばりを 時に頼もしく うれしく おいしく
そう感じてくれている様に思う。
すくすくと 流れのほとりに 植えられた木のように。
2年前の冬 この言葉に 心をひかれたこと。
残り少ない葉を 大事につけた木を 見て思い出す。
何があっても 動じない強さと
何かあったら 声をかけれる柔軟さと、 やさしさ
そのことが ずっと 私の中にはある。